相談のきっかけ
当社は創業1年目を終えたばかりの若い会社であったが、創業者は30数年にわたって「物販取扱」の経験があり、日本全国からこだわりの商品を発掘する「人脈、ネットワーク」を持っていることで、創業1年目で売り上げ1億円を達成している。
しかし、経費管理が若干甘かったために、年度終了時の決算では赤字となってしまい、今後の事業継続のための「運転資金不足」に陥っている状況であった。
対象企業の概要
会社名 :ラ・エッフェル株式会社
代表者名:高野博子
事業内容:日本各地のこだわりの品々を自社アンテナショップやネット通販を通じて販売しています。
職人の技が生きる道具や素材にこだわった雑貨を日本各地から集めました
課題整理
経営の羅針盤、事業計画の重要性
現在の資金繰り状況を確認するために、1期目決算書と2期目事業計画を持参いただき、なぜ1期目が赤字となってしまったかということについて徹底的に議論を重ねた。
そうした議論の中で「広告費」が突出して大きな費用となっていることが判り、なぜこんなに広告費を使っているのかということを確認したところ、それまでの人気商品の売れ行きが落ち、それを挽回するために広告をつぎ込んだということであった。それは当初の事業計画にはなかったことであり、広告を注ぎ込むほどに赤字が拡大する状況であった。
そこで改めて事業計画の重要性を説明すると共に、今後は「売上管理」だけでなく「原価管理及び利益管理」も並行して行うことの重要性について話し合いを行い、早急に次年度事業計画の再構築を進めることをアドバイスした。
解決策の提案と実施
この間にも「金融機関」からは「原価管理」の甘さを指摘され、追加融資は難しいとの判断を示されていたので、「金融機関」に対しても早急に次年度事業計画を提出する必要があるということで「事業改革再構築」に着手した。
事業計画は売上本位で計画するものではなく、幾らの利益を確保する必要があるのかということを逆算の考えて計画する必要があることをアドバイスし、従来の借入金返済ができないかということを予め計算してもらった。
その上で、「金融機関」の信頼を得るためには、事業計画に沿って毎月キチンと利益が確保できており、借入金返済に支障がないことを理解してもらう必要があることを説明すると共に、売上計画の裏付けがどうなっているのかということも細かく説明できる資料作成をお願いした。
支援の成果
順調に利益を確保、追加融資の承認を得る
そんな厳しい状況ではあったが、この2期目の6カ月間ではキチンと原価管理を行った成果もあり、毎月の利益を確保することができ、売上も順調に推移していることを評価していただき「追加融資」の承認も得ることができた。
今後は今回の経験を生かして、売上だけを追求するのではなく、常に原価と利益のバランスを把握しながら事業運営を進めることをアドバイスした。広告費以外でも、まだまだ無駄な経費が散見されるので、今後はこれらの経費についても適切に管理すると共に、新たな取扱商品についても利益率管理を徹底するようにアドバイスした。